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96: 2011/12/17(土) 14:30:20.68 ID:IcNJnKVuO

俺と妻の話はそれで結審した。
佐藤夫婦は離婚した。慰謝料については丁重にお断りした

そしてあと一つ重要な赤ちゃんの問題については俺は誰の子であろうと自分の子として育てると言った

佐藤夫はもしも自分の子供なら養育費だけでも払わせてくれといったが俺は断った
そして「子供とあなたは無関係な人間でいてくれ、将来においても一度も会わせる気はない」と告げた

97: 2011/12/17(土) 14:33:36.17 ID:qJ+vo7ip0

胸くそ悪い話だな

98: 2011/12/17(土) 14:34:59.15 ID:IcNJnKVuO

そして半年ほどで赤ちゃんが生まれた。
俺の望んだ通りの女の子だった
ただもちろん心境は複雑だった。
誰の子だろうが関係ないとは言ったがむろん自分の子であるに越したことはなかった

100: 2011/12/17(土) 14:36:11.84 ID:9oZNMUAyP

D・N・A!D・N・A!

102: 2011/12/17(土) 14:37:02.79 ID:IcNJnKVuO

子の判定は血液で簡単にわかった
妻と俺はO型で佐藤夫はAB型だったからだ。
生まれてきた赤ちゃんは無事O型でした
妻は俺以上に喜び「あなたの娘で良かった」と何度も言っていた

113: 2011/12/17(土) 14:42:26.34 ID:IcNJnKVuO

それから俺と妻は日常に戻った。
ただ二人の会話は必要最低限だった

もちろん行為など皆無で、俺自身も欲を全く失っていた
子供が成長するにつれ、俺と妻は仮の部分で関わることが多くなっていった
しかし裏では全くの他人。
自分が望んだこととは言え虚しさが募っていった

118: 2011/12/17(土) 14:46:01.72 ID:IcNJnKVuO

それからあっという間に日々は過ぎ、長男は高校を卒業し一浪の後に国立大学に進学した
娘の高校卒業が迫るなか、俺は決断を迫られていた
高校卒業するころには親の離婚は影響を与えないんじゃないかと考えていたからだ
もちろん学費や妻の生活費は面倒を見るつもりでいたがこんな不毛な夫婦生活は続けたくなかった

120: 2011/12/17(土) 14:50:06.48 ID:IcNJnKVuO

はっきりとした結論を出せないまま娘は高校を卒業し地元の国立大学へと進学した

ただ娘は自宅通学のため、俺と妻はまだ皮一枚ではあるが繋がっていた
そんなある日、娘がいつになく深刻な様子で話かけてきた

127: 2011/12/17(土) 14:53:52.29 ID:IcNJnKVuO

娘「わたしお父さんとお母さんの話ぜんぶ聞いたよ」
娘「うんうん、お母さんを責めないで。わたしが話してほしくて聞いたの」
娘「だってお父さんとお母さんの様子がおかしいのは見ればわかるもん」
娘「昔からそうだったよ。表面上仲良くしてますって感じだった」
娘「気のせいかとも思ったよ。だって本当に仲良さそうにも見えたもん」

136: 2011/12/17(土) 14:57:55.14 ID:IcNJnKVuO

娘「お父さんが怒るのも無理ないと思う。わたしもお母さんがそんなことしたって聞きたくなかった」
娘「お母さんも許してもらえなくて当然だって言ってた」
娘「でも今のお母さんはお父さんのことを凄く愛してるし大切に思ってるよ」
娘「お母さんと買い物いくと、これはお父さんが好きだから、これはお父さんが嫌いだからってお父さんの話ばかりしてるんだよ」

138: 2011/12/17(土) 15:00:09.49 ID:b+XSqQRSO

子どもに言われるとくるものがあるな

140: 2011/12/17(土) 15:00:26.44 ID:RJVDlSDi0

娘買収されすぎワロチ

146: 2011/12/17(土) 15:01:58.18 ID:9oZNMUAyP

父親は娘には勝てない

148: 2011/12/17(土) 15:03:17.77 ID:IcNJnKVuO

娘「お母さん、そんな風にお父さんの話するときすごく嬉しそう」
娘「お父さんが誕生日プレゼントにあげたエプロン大事にしてるし」
娘「それにちょっと恥ずかしいけど、わたしはお父さんもすごく良いお父さんだと思ってるよ」
娘「そんなお父さんとお母さんが本当は仲悪い…なんて……」
娘がポロポロと泣き出した

155: 2011/12/17(土) 15:08:35.74 ID:IcNJnKVuO

「お父さんはやっぱりお母さんのこと嫌い?」濡れた声で訊ねてくる娘に、俺は何も言えなかった

妻がそこまで自分を思ってくれていたこと
自分の浅慮を子供に見透かされていたこと
そのことが子供の負担になってはいなかったか?
色々なことが寄せてきて、何も考えられなくなった
とりあえず一人にしてくれと娘に頼むのが精一杯だった

159: 2011/12/17(土) 15:11:35.26 ID:QY86VIzF0

当事者じゃないとこの虚しさはわからないよな
親子でも

161: 2011/12/17(土) 15:14:17.36 ID:IcNJnKVuO

おそらく事件後の妻は世間一般から見ても非常に優秀だったと思う

生活費を多めに渡してたとはいえ一度も追加の請求が来たことはないし、全く無駄遣いもしてないようだった
苦手だった家事も克服したどころか、子供は妻の弁当はすごく評判が良いと言っていた
子供たちのために離婚はしないと言ったが、立派に育ってくれたのは間違いなく妻のおかげだった

168: 2011/12/17(土) 15:18:21.45 ID:IcNJnKVuO

それならば妻を許すべきなのか?
だがそうしたら、あのとき感じた悲しみや怒りはどうなる
あの日の自分の気持ちを騙すのか?
理由があったとはいえ、妻は自分以外の男を一時的にせよ愛していたんだ
色々なことが頭をよぎった

174: 2011/12/17(土) 15:22:04.39 ID:IcNJnKVuO

さらに全く論理的ではないのだがここで許してしまうなら、最初から全てを受け入れていればもっと幸せになれたんじゃないか?

妻を許すということは、事件後からこれまでの人生は全て無駄だったんじゃないか?
果たして許したとして俺はどうしたら良いのだろうなどの苦しみもあった

179: 2011/12/17(土) 15:26:39.71 ID:IcNJnKVuO

結局また俺は結論を出すことができずに、灰色の日々を過ごしていた
意識的に何度か妻へと話しかけてみたものの、ほんのわずか驚いた顔を見せた後に俺が惚れた笑顔を見せる妻を見ると
様々な感情が爆発的に体内を駆け巡り泣き出してしまいそうになり
全くどうして良いのかわからなかった